山行記録 『羊蹄山』

羊蹄山の概要

概要

羊蹄山は蝦夷富士として親しまれ、北海道を代表する名山として日本百名山のひとつに数えられています。容姿端麗な成層火山で頂上に周囲約2kmの楕円上の火口があり、富士山に似た姿から蝦夷富士と呼ばれています。

7月上旬から8月上旬には標高1,700m以上で100種類以上の高山植物が花を咲かせ、130種以上の野鳥が生息しています。自然が原始のままに保護されるとともに、登山や自然観察などの野外レクレーションに活用されています。

「羊蹄山情報」『倶知安町』2018年10月3日現在

標高

1898m

主な登山ルート

  • 真狩コース
  • 喜茂別(留産)コース
  • 京極コース
  • 比羅夫(倶知安)コース
  • リンク

  • 『羊蹄山情報』倶知安町
  • 登山形態

    避難小屋泊ピストン

    日程

    2018年9月23日〜24日

    ルート

    比羅夫コース

    標高差:1,548m

    メンバー

    4人

    アクセス

    地図

    ここに地図が表示されます

    コースタイム

    1日目

    2日目

    YAMAP活動記録

    今回の山は登りたかったけど登れずにいた後方羊蹄山(しりべしやま)こと羊蹄山!

    仕事で今年の春・夏の登山は絶望的となり、更には大きな地震が…。久し振りのソロ登山に少し抵抗もあり「今年は山に登れずに終わるのかなぁ」としょぼくれていた所に利尻山を一緒に登った旧友からお誘いがありました。行先は羊蹄山。しかも避難小屋泊の1泊登山です。むっちゃテンション上がりました。

    山道具

    まずは山道具の準備です。全行程をイメージしつつ自分の体力と要求のバランスを取りながらの準備。この時間もまた楽しい!

    今回は避難小屋を利用させてもらうので電話(0136-23-3388)で倶知安町観光課に事前連絡したところ、避難小屋の利用方法や注意事項、登山道の情報などを丁寧に教えてくれました。


    当日、朝から車を走らせ倶知安へ移動です。今回のメンバー4人の内2人は今日が初対面です。名前すら知りませんでした(。-_-。)

    そんなメンバーと一緒にスーパーに行き食糧調達&近場のラーメン屋さんで腹ごしらえと顔合わせ、自己紹介を済ませ仲良くなって出発です。

    登山口

    昼過ぎに着いたこともあって駐車場はほぼ満車状態。かろうじて空いていたスペースに車を停め登山の準備です。

    下調べでここの登山口に水場があることは知っていたので、空っぽのまま持ってきたボトルを充たしに水場へ移動。羊蹄山の伏流水をボトルいっぱいに詰めて美味しい水を飲みながら…なんて考えていたのですが、そこにあったのはトイレ横の水道水でした(;_;)もっときちんと調べておけば良かった。こんなことなら少し遠回りしてでもふきだし公園で水を汲んでくればよかったと反省しつつも水が無いと戦えないので仕方なく水を詰め出発準備完了です。(この後、倶知安町の水道水について調べてみると倶知安町の水は羊蹄山の湧水を使用した「日本一の水」と言われていることが分かりました!)

    羊蹄山比羅夫コース登山口

    いつも通りに登山ポストで必要事項を記入し登山開始です。

    先日の台風の影響か真新しい倒木が何箇所もあり迂回や倒木を乗り越える必要があって思っていたよりもハードな出だしとなりました。とは言っても自然のままの倒木ではなく登山者が歩きやすい様に処置がされた倒木ですので山頂まで歩ける体力がある人なら問題なく歩くことができると思います。

    羊蹄山風穴

    天候のせいもあり特に見所もなく淡々と歩く。ふと風穴の看板が目に入った。風穴からは涼しい風が吹き出て中を覗くとヒカリゴケも見えるらしい。前を歩くメンバーに少し待ってもらい風穴を覗いてみる。ん?無風?!光るものも特に見えない。そこに下山中のご婦人が来て「今日は風がでてないでしょう?」と一言。そうか、そんな日もあるのか。


    羊蹄山3合目

    また歩き始める。3合目でわずかに眺望を楽しめたほか特に見所はない。本来羊蹄山は典型的な成層火山のため、植生が垂直分布によって明確に分かれていて云々…。要するに高山植物の種類が多くて周囲の景色など見えなくとも足元を見れば充分に楽しめる(特にこの比羅夫コースに沿った地域は「後方羊蹄山の高山植物帯」として天然記念物として指定されている)そうなのだが、まだそこら辺を楽しめるお年頃でもなくただ上を目指して歩く。重い。きつい。日帰り登山じゃなくてよかったと何度も思いながら代わり映えのしない登山道をひたすら歩く。汗も吹き出し始め5合目を過ぎたあたりからは各合目の看板の前で休むことになりました。一般的な山なら登りくだりを繰り返して緩急ある道を少しずつ山頂に近づいていくのですが、ここは成層火山の羊蹄山。行きはずっと登り続け、帰りはずっと下り続ける。そういえば利尻富士もこんな感じだったとと思いつつ雲の中を歩き続ける。

    羊蹄山9合目付近

    9合目付近で少し背の高いハイマツを抜け眺望が開けました。気がつけば雲の上。そう!この景色を見るためにここまで来たんだ!とまでは言いませんがほんとここまで登って来てよかった。ということで撮影タイムです。

    本当はもっと感動的で美しかったのですが僕の写真と文章の表現力ではこれが精一杯

    羊蹄山パノラマ 羊蹄山避難小屋

    9合目を過ぎると右に折れ避難小屋へのトラバースとなります。歩くのは楽だし景色もいいしと最高です。5分も歩かないうちに今夜のお宿「羊蹄山避難小屋」が見えてきました。あれ?キレイ!予想していたのと全然違う!それもそのはず今から4年前の平成26年に建設されたそうです。

    羊蹄山避難小屋

    羊蹄山避難小屋入口 羊蹄山避難小屋

    近くで見てもやっぱり綺麗!入り口近くまで行くと管理人さんが出迎えてくれました。先日観光課に電話した件が伝わっていたらしく受付もスムーズです。利用料の1000円を支払うと中へ案内され一通り丁寧に説明してくれました。この日は利用者が多いとのことで隣の人のマットとの距離は20センチぐらい。ちょっとは抵抗があるけど寝てしまえばまぁ大丈夫でしょう。小屋の中もキレイで、ストーブも焚かれていて快適!汗でびしょびしょになった服も乾かせて大満足です。更にはトイレもあって安心

    日没まで残り30分。小屋からお鉢までは30分弱。というわけで、お鉢まで日の入を見に行くことになりました。ここからは手ぶらでの山行。目的地はすぐそこ!と甘く考えていたのですが、これが結構きつい。着替えたばかりの服に汗がにじみ始めた頃なんとかお鉢にたどりつきました。お鉢は風が強く、先ほどまで見えていたはずの太陽は雲で見えない。こんな日もあるさと慰め合い記念撮影を済ませて日が落ちて暗くなり始めた道を小屋に戻る。

    山の晩ご飯 乾杯

    小屋に戻ると先客らは慣れた手つきでパスタやラーメンなどの晩御飯の準備をしていました。僕たちは外に出て小さな夜宴!今日初めて会ったというのにそんな感じがしない。すぐに打ち解けあいました。僕はバーナーで湯を沸かしカップラーメンとスーパーで買ったオニギリで満腹です。いつかは山ごはんを作れるようになりたいなぁ。


    月 月の撮影風景

    この日は中秋の名月の前夜🌕雲の合間からまぶしいくらいの月が見え隠れしていました。月が明る過ぎて周りの星が見えにくかったくらいです。夜中トイレに起きた時は日が昇り始めたのかと思うほど周囲を明るく照らしていました。

    山 頂

    霧中

    5時25分の日の出を山頂で迎えようと4時起床で出発準備。他の多くの宿泊客はご来光を諦めたようで行動開始したのは僕たちの他は数名のみでした。荷物はこのまま小屋にデポって帰りに取りに来ます。

    出発時はあいにくの霧で5m先くらいまでしか見えませんでした。昨夜勢いでお鉢まで登った時はほんの少し後悔しましたが、今はそのおかげで不安にならずにお鉢まで行ける。経験は裏切らない!移動距離を短くしようとお鉢を反時計回りに進む事にしましたが、暗い中ガレ場を進む事になり少々危険な思いをしました。夜のガレ場は避けましょう!

    羊蹄山山頂

    小屋を出発して約1時間で無事山頂に到着です。日の出の時間にはなんとか間に合いましたが、あいにくの天候でご来光は拝めず。記念撮影を早々に済ませ、風を避けられる場所を見つけて友人がココアを淹れてくれました。うん美味い!温まる


    羊蹄山お鉢

    30分程山頂を満喫しお鉢巡り再開=3

    山頂から反時計回りに続く道はガレ場とは大違いですっごい歩きやすい!距離に惑わされずにこっちからアプローチすれば良かったと反省しつつも爆風のお鉢を楽しむ。

    途中から太陽が出て羊蹄山北側は雲もなくなり眺望を楽しむことができました。

    お鉢の内回りをゆっくり1周

    デポしていた荷物を取りに避難小屋に寄り10分かからず撤収を済ませて下山開始

    遥か上空から小雨が降る中ではありましたが、眼下に雲はなく下界の景色と会話を楽しみながら歩く。

    小屋を出てから2時間半で登山口に到着。あっという間でした。

    雨の中着替えを済ませ次の山行の約束をしてお別れとなりました。


    2018年10月6日