山行記録 『手稲山』

手稲山の概要

概要

手稲山(ていねやま/Teine-yama・Mt.Teine)は、北海道札幌市西部の手稲区と西区に跨る標高1023.1mの山。札幌市中心部からほぼ真西に直線で約15km、自動車で約40分の位置にある。

古くはアイヌ語で「タンネウェンシリtanne-wen-sir」(長い・悪い・場所)と呼ばれ、南斜面に大きく広がる崖地形から名づけられたとされるが、手稲という地名は「テイネィteyne-i」(濡れている・もの)に由来し、手稲区市街地の広がる山麓の開拓される前にあった低湿地帯を指すといわれる。

明治末期に登山道ができ、大正15年(1926)には北大スキー部が山スキーの拠点の一つとして建てたパラダイスヒュッテと呼ばれる日本最古の本格的スキー山小屋が建築される。第11回冬季オリンピック札幌大会の会場になり、現在でも年間100万人を超えるスキーヤーが訪れる。

出典「手稲山」『ウィキペディア』2015年1月31日現在

標高

1023.1m

主な登山ルート

  • 北尾根コース:3時間30分(登り)
  • 平和ノ滝コース:3時間(登り)
  • 乙女ノ滝コース:3時間(登り)
  • リンク

  • 自然歩道 平和の滝~手稲山ルート「公式ホームページ』
    札幌市の公園検索システムによるコースの紹介ページ。コース見取り図有り
  • 手稲山登山 2014『ぱるるんの「札幌・発」気まま~な日記』
    平和の滝コースを大きな画像で紹介したページ
  • 山行内容

    登山形態

    縦走

    日程

    2013年8月14日(日帰り)

    ルート

    登り:

    平和ノ滝登山口〜布敷の滝〜ケルン〜手稲山山頂

    下り:

    手稲山山頂〜山麓駅〜コース分岐点〜手稲本町入口

    標高差:最大943m

    メンバー

    単独行

    アクセス

    自家用車にて送迎

    地図

    コースタイム

    動機

    妻の実家近くにある手稲山。ロープウェイや車で山頂に行くことができる山にわざわざ徒歩で登るのもどうかなと思ったりもしたが、実家から見える山がカッコよく身近にも感じていた。また、いざとなったら山頂まで車で迎えに来てもらおうという甘い考えもあり(頂上まで続く道路が管理用道路で一般の車両は進入できないということを当時は知らなかった…)盆休暇の帰省を利用して手稲山に登ることにした。

    平和ノ滝(登山口)

    当日は実家から車で30分くらいの距離にある平和ノ滝まで家族に送って行ってもらった。

    平和ノ滝

    到着後はすぐには登山を始めず駐車場から続く細い階段を降りて家族で平和ノ滝を見に行った。真夏だというのに平和ノ滝は冷んやりとした空気が流れていてマイナスイオン感たっぷりだった。見所は少ないが登山の折に立ち寄って損はない場所だ。

    いよいよ登山開始!事前の情報がなかったら驚いてしまっただろうが、大平和寺というお寺の横が登山口となる。登山口を抜けた後はしばらく林道が続く。多少のアップダウンはあるが散策路のような歩きやすい道であった。

    登山口の案内板横 登山口の案内板横

    登山中に現在地を知るには砂防ダムと送電線がいい目印となる。地図とコンパスを開いて見ることもあったが、周りの木々に視界を遮られて目印となるような山や地物を確認することはできなかった。見えたとしても本を読んで得ただけの知識では現在地を特定できたかはわからないが…

    手稲山の登山道

    林道が終わると急坂が増えていく。一人で歩いていたためペースが速くなり気がつけばかなり息が上がっていた。コース中にはいくつか沢を越えるための小さな橋がかかっておりそこにベンチが据えられていたので最初の休憩をそこで取ることにした。

    布敷の滝

    布敷の滝

    休憩を終え少し歩くとコース上の見所の一つである「布敷の滝」が左手に見えてきた。布敷の滝は一般的にイメージされるような水が高所から落ちる滝ではなく坂を伝い落ちるような滝で、これを滑滝(なめたき)というらしい。登山口の平和ノ滝での感動が大きかっただけに、珍しくはあったが見慣れない滑滝を見ても立ち止まってゆっくり見る気にはならなかった。

    布敷の滝を過ぎると道には岩が増え歩きごたえのある道へと変わっていく。ハァハァ息を切らしながら登っていくと林が終わり岩礫が現れる。まともな登山経験のない僕にとっては圧倒される光景だった。こんな不安定な岩を登るのかと思うとゾッとしたが、所々にペンキで目印が付けられていて進むべき方向がわかるので思ったほど辛くはなかった。

    手稲山のガレ場

    一気に登りきるのはキツかったので途中岩に座って休憩をとった。振り返ると木々に囲まれていた先程までとは違い周囲の山を見渡すことができた。が、地図と見比べても山座同定はできなかった。休憩を終え岩礫の斜面を登りきると林内のやや急な登りを進み台上に出た。

    ケルン

    手稲山のケルン

    台上に出た後は今までの急坂が嘘のように緩やかな上り坂が続き程なくケルンにたどり着いた。ケルンがどういう理由でそこに存在しているのか、どう接すればいいのかがわからなかったので、近場にあった石コロを一つ積み上げておいた。

    手稲山の電波塔群

    ケルンを過ぎると間も無く車道に出る。山道を歩いて登りきった先に車道があるのは少し興ざめするが、それは登る前から分かっていたことである。どうこう言っても仕方ないだろう。嫌なら登らなければいいのだ。

    車道を行くとたくさんの電波塔を抜け運休中のロープウェイ駅を横目に頂上を目指し程なく到着した。

    手稲山山頂

    手稲山山頂 手稲山一等三角点 手稲山一等三角点の説明文

    山頂には若い男女のグループや単独らしき老人の登山者、小学生くらいの子供など10数名がいたが面積が広く座る場所には困らなかった。適当な石に腰をかけ、朝送ってもらう途中のコンビニで買ったおにぎりを食べた。

    空には雲があったがなかなかの展望で遠くに見える山々の眺めを十分に楽しんだあと手稲神社奥宮に手を合わせ11時55分山頂を出発した。

    下山開始(北尾根コース)

    手稲山の登山道の一部

    下りは北尾根コースを選択した。手稲山の主要3コースの内最も距離が長く時間がかかるコースだ。下りは来た道を戻るところから始まる。車道を進むと左手に下り口を見つけた。目立つ標識がなく危うく通り過ぎるところだった。登山路というよりは草が踏まれて別れ道が出来ている状態であった。もしかすると正規のルートではなかったのかもしれない。踏み跡に従って道を進むとスキーのコース上に出て、コースを斜面通りに進むとロープウェイの山麓駅に到着した。

    山麓駅〜手稲本町入口

    北尾根コース案内板

    山麓駅からは車道を500m程歩き北尾根コースの下山口に着いた。駐車場スペースらしき場所で北尾根コースの案内板も設置されていた。駐車場からの下山口(登山口)は2箇所あり、一方は札幌冬季オリンピックで使用されたという男子大回転ゴールの跡地を通る超遠回りのコースで、もう一方は通常の北尾根コースへの下り口ということで予定通り後者の下山口を通過した。

    そこからしばらくの間は道はぬかるんでいた。数日前に降った雨が地面に吸収されずに残っていたようだ。ぬかるみを抜けると次は散策路のような歩きやすい道となった。大きなアップダウンもなくひたすら森の中を歩く。前半は木々が邪魔して眺めを楽しむことはできなかった。途中、古びたリフト小屋があったり意味不明な舗装路があったりとやや不気味ではあったが道が良くしばらく休むことなく歩き続けることができた。ここはトレイルランニング向きのコースなのではないのか?とトレランをやったこともないのに考えてみたりもした。

    手稲山から見える石狩湾

    コース後半になると急坂が出てきた。途中開けた場所もあり石狩湾を望むことができた。それにしても足元が滑る。道のせいもあるが原因は靴にあった。登山靴をまだ買っていなかったので10年物のメレルのジャングルモックを履いて来たせいだ。アスファルトを歩く分には気にならなかったが靴底のゴムが磨り減って一部は真っ平らになっていた。足元に注意しながら泥で滑る道を進むと沢の中に出た。

    手稲山北尾根コース途中の看板

    雰囲気が急に変わり川沿いに400〜500m行くと民家に平行に走る道に出た。ここまで来るとアップダウンはほとんどなくなる。民家が目と鼻の先にあるのでもう登山口にでるだろうと思っていたが、もう一度山の中に引き戻されたり高校の裏に出たりとなかなか辿り着かない。距離にして1kmくらいだそうだが非常に長く感じた。そして14時30分頃、無事登山口に到着した。下山後間も無くパラパラと雨が降り始めたため近場の高速道路の高架下まで移動し迎えの車を待った。


    2015年2月10日