山行記録 『雨竜沼湿原〜南暑寒岳』

雨竜沼湿原〜南暑寒岳の概要

概要

暑寒別の山群には暑寒別岳、南暑寒岳、群別岳、浜益岳、雄冬岳、天狗岳などがありますが、いずれも古い火山(洪積世、今から数十万年前)で、すでに当初の火山形態が失われたものが多いです。またこの火山噴出物は溶岩流が多く、緩い傾斜の広々とした台地状の地形が広がり、その一部は湿原や湖沼群となって、雨竜沼湿原と呼ばれています。

雨竜沼湿原は、暑寒別天売焼尻国定公園に指定されています。標高850mの台地に東西約4km、南北約2kmにわたって広がる山岳型高層湿原帯(ミズゴケを主とした高層湿原で覆われている。高層湿原というのは高い標高にある湿原という意味ではなく、冷涼な気候のもとで古いミズゴケが腐り切らずに堆積して厚みを増し、ついには泥炭が元の水面より凸面をなして高くなるので、こう名付けられている。)で、湿原の中には直径1m〜50mくらいに及ぶ大小百数十の池塘があります。

雨竜沼湿原は、日光国立公園の尾瀬ヶ原に匹敵する景観と評価されていて学術的にも貴重な存在であります。

出典 管理棟でいただいた資料より抜粋  2020年7月27日現在

標高

  • 南暑寒岳 :1,296m
  • 主な登山ルート

  • 雨竜沼湿原コース
  • 南暑寒岳・暑寒別岳縦走コース
  • 山行内容

    登山形態

    ピストン

    日程

    2020年7月25日

    ルート

  • 南暑寒別岳ゲートパーク南暑寒荘〜雨竜沼湿原〜南暑寒岳
  • 標高差:860m

    メンバー

    1人

    アクセス

    地図

    コースタイム

    雨竜沼湿原ゲートパークキャンプ場前泊

    GoogleMapによると自宅のある札幌から雨竜沼湿原ゲートパークまで2時間半程度とのこと。3時頃着いていればいいやと正午過ぎに札幌を出発しました。

    雨竜の道の駅で地酒を買い込み夜宴の準備完了!時間的にはゲートパークまであと少しと思い車を出したら青看板に30数kmとの表示が。Googleに騙されたと思いつつもどうしようもないのでゲートパークに向かいました。そのまますんなり到着するものだとおもっていたのですが、道は途中から車1台分の道幅の砂利道へ。しかも湿原からの帰りラッシュとぶつかったのか対向車が次から次へと来て道の譲り合い。運転に自信のない方は早朝に来て昼過ぎに帰るなど時間帯を選んだ方がいいと思います。そんなこんなでゲートパークについたのは4時近くになってしまいました。

    雨竜沼湿原管理棟 雨竜沼湿原トイレ

    駐車場は第1と第2駐車場合わせて100台以上とめられるそうで、この日は時間帯もあってスカスカの駐め放題!(翌朝はほぼ満車になってました。)キャンプ道具もあるので管理棟近くに車を駐め受付へ

    管理棟では感じの良い管理人さんに丁寧に対応していただき登山の注意事項も聞かせてくれました。今年は熊の目撃情報が多く、この1ヶ月で例年の1シーズン分くらいの情報が上がっているとのこと。そろそろ熊スプレーの購入も考えなくちゃと思いつつ、さっそくキャンプの用意

    ゲートパークキャンプ場

    キャンプ場は予想に反して人は少なく、水洗のキレイなトイレと水場もあり芝生も刈り込まれ申し分なしです。しかも無料!でも虫はけっこういたかな。

    月の明かりの下でも簡単に設営できるというモンベルのムーンライトテント(最近新しいの出たんだよなぁ)を颯爽とドヤ顔で設置し椅子とテーブルを広げ酒を並べて夜の部へ移行

    家から持ってきた登山ガイドをニヤニヤと眺めながら夜は更けて行きました。

    雨竜沼湿原へ

    いつものことながら予定よりかなり早く目覚めてしまいました。遠足前の小学生状態です。予定の時間まで待つことができず朝食を手軽に済ませ、いざ出発!

    雨竜沼湿原第1吊橋

    歩き始めて10分ほどで第1吊橋に到着。ここまでは車が通れる砂利道で、傾斜も緩く準備運動にもってこいの道です。吊り橋はしっかりした作りなので揺れも少なく恐怖を感じることはありませんでした。

    吊り橋を超えた後も道は歩きやすく緩やかな傾斜が続きます。10分ほど歩くと「白竜の滝」への分岐へと着きました。分岐から滝までは50mと看板に書いてあったので迷わず滝へ。

    白竜の滝

    滝ですね。それ以上でも以下でもありません。展望台的な場所が滝まで微妙に距離があり、高さも滝の中間くらいの位置なのでいまいち迫力やマイナスイオンは伝わってきませんでした。滝壺付近に行ったらもう少し感動があったと思うのですが…

    なお、分岐で白竜の滝方向に進まなくても少し高い位置からになりますが登山道から滝を見ることができました。

    靴洗い場

    白竜の滝を過ぎるとすぐに第2吊橋が現れます。第2吊橋を越えたあたりから「険竜坂」と名付けられた勾配のきつい難所が続きます。

    30分ほど頑張ると雨竜沼湿原の入り口的存在の「靴底洗い場」に到着です。湿原に下界の種子を持ち込まないための配慮とのこと。しっかり洗いましょう。


    タチギボウシ 雨竜沼湿原木道

    まだ入り口ですが、もうすでに素晴らしい光景が広がっています。来て良かった!

    いよいよ木道の始まりです。しっかりとした木道ですが、所々朽ちているので歩くには注意が必要です。

    天気もバッチリで木道と湿原の向こうに本日の目的地「南暑寒岳」が見えました。

    木道は1周約4kmで歩いて1時間半ほどとのこと。あちこちに綺麗な湿原性植物が見られるので人によっては1時間半じゃ済まないでしょうね。

    湿原テラスで一休みして景色を堪能

    木道は途中から一方通行へと変わり、人とすれ違う際の煩わしさを感じずに景観を楽しむことができます。

    南暑寒岳へ

    雨竜沼湿原全景

    雨竜沼湿原の西端まで来ると南暑寒岳への登山の始まりです。

    登り始めるとすぐに展望台が現れます。写真ではちょっとわかりにくいのですが展望台からは雨竜沼湿原の全景を楽しむことができました。


    熊のフン 熊情報

    登っていて気になるのが管理棟で見せていただいた熊目撃情報のマップ通りのフンと掘り起こした穴の数の多さです。熊鈴に全てを託しソロ登山継続です。こんな時ソロは心細いです。

    熊の恐怖を除いては登山は順調に進みました。はっきり言ってしまうと雨竜沼湿原に感動しすぎたせいか登山としてはちょっと物足りなくも感じました。


    南暑寒岳山頂

    そんなこんなで湿原から1時間ほどで南暑寒岳山頂に到着です。

    山頂からはすぐお隣の暑寒別岳、昨年登った黄金山など見えました。広いとは言えませんが数人が休憩するには十分な面積があります。

    時間が許せばこのまま暑寒別岳まで足を伸ばしたいのですが、それをするとプラス4時間かかるそうとのことで次回の楽しみに取っておきます。

    2020年8月17日