山行記録 『美瑛富士(敗退)』

美瑛富士(敗退)の概要

概要

石狩山地の十勝岳連峰(十勝火山群)のひとつ。十勝岳の火山活動に伴い、1万年前以内の時期に形成されたと考えられている。通称として「富士」の名を冠する山(郷土富士)は各地にあるが、美瑛富士は山の正式な名前として「富士」と付けられている。火山ではあるが2010年現在、活動は見られない。山域は1934年12月4日に大雪山国立公園の特別保護地区に指定されている。山の上部は森林限界で高山植物が見られる。

東側の標高1,000 m付近に収容人員25名の「美瑛富士避難小屋」があり、白金温泉から約4キロ離れた涸沢林道に「美瑛富士登山口」があって、美瑛岳やオプタテシケ山に向かう登山者に利用されている。その縦走路は山腹の東側を通っている。

出典「美瑛富士」『ウィキペディア』2015年5月31日現在

標高

1888m

主な登山ルート

  • 美瑛富士避難小屋経由
  • 十勝岳望岳台から
  • 山行内容

    登山形態

    ピストン

    日程

    2015年5月30日(日帰り)

    ルート

    往路:登山口〜天然庭園付近

    復路:天然庭園付近〜登山口

    標高差:331m

    メンバー

    単独行

    アクセス

    バイク

    地図

    コースタイム

    ゲートに鍵が…

    自分でもなぜだかはよく覚えていないけどいつかは登ってみたいと思っていた美瑛富士。たぶん山の名前に惹かれたのではないかと思います。いろいろ調べるとどちらかというとマイナーな山だったんですね。美瑛岳をやったついでみたいな…。でもいいんです。登ってみたい山なんだから。

    美瑛富士への一般的なコースは白金温泉側の登山口から美瑛富士避難小屋経由するものと望岳台から登るものがあるんですが、望岳台は昨年十勝岳をやった際に行ったことがあるので今回は白金温泉コースから登ってみることにしました。

    いつものように下調べをしていると『北海道夏山ガイド3』に重要情報が書いてあるのを発見!登山口へ続く林道の入り口にゲートがあってそこには鍵がかかっているとのこと。他のサイトでもこの情報は見つけられなかったのでガイド本を買っておいてホント良かったと思いました。ゲートの鍵ナンバーはそこを管理している上川中部森林管理署美瑛森林事務局(Tel:0166-92-2063)に電話をすればわかるという旨が書いてあったのですぐに電話しました。17時をちょっと過ぎていましたが事務局のおじさまが丁寧に対応してくれました。感謝です。

    自宅出発

    暖かくなってきたしそろそろ念願だったツーリング&登山をしてみようと近所の目を気にしながら朝の4時半にバイクのエンジンをかけザックを背負って白金温泉をちょっと越えたところにある登山口へ向かいました。昼は暖かくても早朝はまだまだ寒く、今回は着ることもないだろうとザックの一番奥へ詰め込んでいたダウンセーターを途中に寄ったコンビニで引っ張り出して着込みました。

    美瑛富士への看板

    国道から道道966号線に入って数キロ走ると両脇が樹に囲まれ正面に山が見えて来ます。狙ったかのように十勝岳、美瑛富士、美瑛岳の順に1つの山頂だけが正面に見え丁寧に看板まで設置されていて近づくにつれ気分が盛り上がっていきます。


    美瑛富士の看板 美瑛富士登山口のゲート

    うまく言えませんが白金温泉を越え2〜3km行くと右手に美瑛富士の看板が見えてきます。かなり小さいので気をつけてください。看板が示す道へ入り100m程度で事前情報通りのゲートに到着。森林事務局から聞いた番号で鍵を開けゲートの中へ入り元どおり鍵を閉めます。ゲートから登山口へ続く道は舗装されていますが落ち葉や枝などが多いので注意が必要です。

    登山口

    美瑛富士登山口の駐車場

    舗装路を進むと登山口が現れ、その100m奥に駐車場があります。駐車場は十分な広さがあるように見えますが見た限り駐車用に用意されたスペースは2台分のみで他の場所には「ここには駐車しないでください」との旨の注意書きがありました。


    美瑛富士登山口のポストと駐車場の看板 美瑛富士登山口のポスト

    登山口には登山ポストはなくその代わりに登山者名簿が備え付けてありました。登山計画書もきっちり用意してきましたが提出ならず。それでも自分の準備や行動の確認と家族への説明には役立ったので登山計画書も無駄にはなっていないハズ。登山者名簿に日付、氏名、登山時刻、下山時刻を書き込みました。登山者全員がきちんと記入しているとは限りませんが少なくとも4日前に単独で登山をした人がいることがわかりました。登山時間も約6時間だったのでたぶん山頂まで行けたんだと思います。

    残雪

    美瑛富士登山道

    登山口から数百mの間は石ころが点在する道が続きますが次第に石はなくなり土と木の根がメインの森林らしい道になっていきます。登山者が歩きやすくするためなのか登山道は周りの地面より1段下がって登山道であることがはっきりわかるようになっていましたが雪解け水が流れ込みドロドロでそこを歩ける状態ではありませんでした。最初その1段下がった道を見た時は誰かが一生懸命整備したんだろうなぁと思っていたのですが、登山者が歩いて少しへこんだところに雪解け水が流れ込み何年もかけて道を削りあのような段差ができたのではないかと思います。もしあそこを整備した方がいたのなら適当なことを書いてしまってごめんなさい。

    美瑛富士登山道 美瑛富士登山道にある看板

    登り進めると登山道に雪が増えてきました。下界からもところどころ低いところに雪が残っていることは見えていたので覚悟はしていました。雪で登山道が見えなくなるところもあり前に歩いた人の足跡もなかったのですが10〜20mほど進めばまた登山道が露出していたのでなんとか登っていくことができました。が、それも天然庭園付近まで。

    美瑛富士の残雪

    素人の地図読みなのであまり当てにはなりませんが天然庭園に差し掛かったくらいで50〜100mほど続くの雪原が幾つか現れ、最初の方は何分もかけ隅々まで道を確認して登山道を見つけ雪原の入り口から出口まで足をグリグリさせて足跡をつけながら歩いたのですが、3個目くらいの雪原で完全に登山道を見失いました。かなり葛藤したのですが、登りは良くても下山時は疲れもあるだろうからもっと大変になるだろうし、ここで退く経験をすることによって今後も無茶はしなくなるのではないか、そして何より無理そうなので途中で諦めて帰ってきたということを家族に伝えることによって今後の山行も安心して送り出してくれるのではないかと思い下山を決意しました。

    下山時は下調べが足りなかったことなどを悔いながら歩いているうちにあっという間に登山口に到着。時間も早かったので望岳台からの登山も考えましたが無計画に登るのはやめようと思いこの日の登山を断念しました。

    青い池

    美瑛 青い池の案内板 美瑛 青い池

    帰りに白金温泉から数キロ下ったところにあり昨年くらいから耳にするようになった美瑛の『青い池』に立ち寄ってみました。十勝岳などの登山口である望岳台に美瑛から向かう際にも通る場所ですので時間があれば是非寄ってみてください。一見の価値ありです。


    2015年6月2日